三島由紀夫全集


<<なるほど三島は、肉体の不可分の一個性、一回性を信じ、それが主体の一貫性を確約すると信じていた。彼は、内面と外面との乖離を否定し、認識が行動と直結することを目論み、思想が人生と過不足なく一致することを断じて主張した。意識と無意識とは区別されてはならず、思考は体験に根差すべきで、現在は過去と決して切り離すことの出来ない重々しい事実だった。
 三島における究極の自己否定は、その生涯を貫いたこうした全的な自己肯定と表裏をなしている。人はそれをナルシシズムと呼んだが、ナルシスとは、死に至るまで自己と向かい合い、その循環を死により断ち切るより他はなかった若い命ではなかったか>>
平野啓一郎『全集』の完結によせて
http://book.shinchosha.co.jp/shinkan/nami/shoseki/642584-X.html

基本的に僕は村上春樹という人を信用していません
「誤解の集積が正解」などとうまいことをいいますが
間違ってたら、はっきりと間違ってるというべきだし、評論家に戦いを
挑むべきです
しかし村上は決して自作を解説せず、深読みされると「それも正解です」という
じつのところさしたる意図もなく書いているのだろうと思っていますが